Q 葬儀が終わった後、位牌や仏壇は必要なのか?
この間、ある方から「葬儀後に位牌や仏壇は本当に必要なのか?」という質問を受けました。その方は初めて家族で葬儀を経験し、仏壇も持っておらず、お寺との縁もないご家族で、葬儀では、親しい寺院に読経をお願いしておりました。今回は葬儀後に必要だと言われている位牌や仏壇についてお話しします。
位牌と仏壇の準備は必要?
喪主様からの質問が「お葬式が終わって位牌と仏壇は揃える必要がありますか?」という場合には、「今後もお寺さんにお参りする予定であれば、必要です」と答えました。ただし、宗教がない場合や無宗教で葬儀を行った場合は、必ずしも必要ではありません。しかし、無宗教で葬儀を行った人々でも、故人の供養のためや、心の拠り所として設ける人々は比較的多いです。
位牌
葬儀の時に使用される位牌は、あくまでも仮として使用する「白木の位牌」です。
こちらの位牌は宗派を問わず仏教式での葬儀に共通で使用されます。
白木の位牌は葬儀に使用しますが、葬儀後は「本位牌」を作り完成次第白木の位牌と交換します。
白木の位牌を使用するのは最大でも49日以内とされています。本位牌作成には10日以上日数がかかりますので、早めに注文する必要があります。
・本位牌を使わない宗派がある?
位牌は宗派によって少々変わってきます。
大別して浄土真宗系においては法名が書かれた「法名軸」(ほうみょうじく)と呼ばれる掛け軸や「過去帳」(かこちょう)を使用するため、本位牌は基本的に使用しません。(一部地域や代々位牌を使用している家系は除く)
・本位牌の素材と種類
浄土真宗系以外は基本、本位牌を使用します。
金文字が彫られた黒塗りの位牌はなじみ深いと思いますが、近年は、モダン仏壇に合わせて、紫檀や黒檀を使用した位牌を選ぶ方も増えています。
仏壇
「おうちにあるお寺」と比喩されることもあるように、仏教徒にとって仏壇はとても重要なものです。
今まで仏壇が無かった家庭には最初の「ご先祖様」となるわけですから、ないがしろには出来ないのではないでしょうか。
・仏壇が必要な理由
仏壇の中に飾る仏具の中で一番重要なものは「本尊」です。仏教は各宗派に分かれており、宗派ごとに本尊も変わり、それぞれ重要な役目をはたしています。
浄土真宗系では本尊に対してお経をあげるため、特に重要視します。本尊が無いところでは「お経はあげられません」といわれてしまいます。
・仏壇の種類
「仏壇」というと仏間に置かれた大きな仏壇のイメージが強いのですが、近年ではこの他にも様々な種類の仏壇が定着してきました。
「金仏壇」、「唐木仏壇」のほか、洋風のリビングでも違和感のない「家具調仏壇」や、茶箪笥やちょっとした台の上に置けるミニ仏壇などがあり、選択の幅が広がっています。
仏壇の交換
自宅にある仏壇を、葬儀後に買い換えるという方もいらっしゃいます。何かきっかけがないと仏壇を買い換えようとは思わないかもしれません。
葬儀が終わり新仏(にいぼとけ)を迎える時は、買い換えの良いきっかけになるのではないでしょうか。
ただし、もとからある仏壇は僧侶が※「魂抜き」をしたあとに「お焚きあげ」を行い、丁寧に処分しなければなりません。
詳しいことが知りたい場合は、仏壇を購入するお店で相談するとよいでしょう。
さくらほーるこもりでも取り扱っておりますのでお気軽にご相談くださいね。
※「魂抜き」は宗派によって呼び方が異なります。
まとめ
・仏教式の葬儀が終わり、その後も寺院とのお付き合いを継続する場合は位牌や仏壇が必要になります。
・葬儀では全ての宗派で白木の位牌を使用します。葬儀後、浄土真宗系は寺院より法名が書かれた掛け軸をいただき、浄土真宗系以外は一般的に本位牌を作成します。
・仏壇には各宗派が大切にしている「本尊」が祭られるため重要とされています。近年では、洋風の部屋でも違和感がない家具調仏壇や小さいミニ仏壇なども定着しています。